株式会社赤木組

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育成の記録 松添編(11)

2026.6.3

■『実は僕がオペさんに・・・』

 

いつも僕の新人土木ブログを読んでくださり、ありがとうございます。
こんにちは。赤木組の松添です。
今回は、土木現場での作業のひとつ「ポイント出し」をご紹介します。
皆様、新人の僕が大ベテランの職人さんに数字を伝えることがあると言ったら、信じてくれますか?
はい。これ、あるんです。
それが「ポイント出し」です。

 

 

現場で重機に乗って作業をしている職人さん、通称「オペさん」が、作業を止めることなく円滑に進められるように、図面に書かれている数値を実際の現場で分かる形に置き換え、必要な高さや位置を伝えていく作業です。
ご想像の通り、これは先回りが重要です。

 

そして、僕の得意能力である“先読み”が、ここで如何なく発動しています。

 

ただ、後述しますが、オペさんは今までの経験に基づいた、第六感ともいえる正確性をお持ちです。
そのため、こちらがどれだけ先読みを頑張っても、
「違うがな」
と叱られることもしばしばあります。汗
今回は、そんな僕が現場で試行錯誤する姿を想像しながら、お付き合いいただければ嬉しいです。

 

 

■ポイント出し

 

 

ポイント出しとは、図面に記載されている高さや位置を表す数字を、作業現場の中で分かる形にし、掘る、入れる、均すといった作業を重機などで行うオペさんへ伝える作業までを含めて、そう呼ばれています。

 

例えば、「ここをあと何センチ掘るのか」「この高さまで砕石を入れるのか」「どの位置に構造物を据えるのか」など、図面上の数字を現場の中で確認しながら、重機を操作しているオペさんに伝えていきます。

 

ただ、数字を読んで伝えれば終わりというほど簡単な仕事ではありません。

 

重機は一度動き出すと、止まることなく作業が進んでいきます。
そのため、ポイント出しをする側は、オペさんが次にどこを見て、どこを動かし、どのタイミングで数字を必要とするのかを考えながら動かなければいけません。

 

さらにいうと、重機の稼働範囲を把握しておかなければ危険でもあります。

 

状況を理解した上での、オペさんとのあうんの呼吸。
この関係は、少し餅つきに似ていると思います。
杵を振る人と、餅をこねる人。
オペさんとポイント出しの僕です。
こねる側の僕は、オペさんの動きを見ながら、絶妙なタイミングで必要な数字を伝えます。

 

早すぎても危ない。
遅すぎても流れが止まる。

 

まさに「あ」「うん」の呼吸です。

 

「あと5センチ下げてください」
「そのまま2センチ下です」
「ここが仕上がりの高さです」
「このラインに合わせてください」

 

このように、現場の状況に合わせて、数字や位置をその場で伝えていきます。
僕たち新人にとっては、図面を理解する力、現場を見る力、そしてオペさんに伝える力のすべてが試される作業です。専務がよく「図面を見る回数を増やすように」と仰ってくださるのですが、まさにその実践の成果がここであらわれます。

 

 

■新人ポイント出しあるある

 

 

ここからは、現場での「新人ポイント出しあるある」をご紹介します。

 

僕と同じように土木の現場で頑張っておられる方に、
「あるある(笑)」
と共感してもらえたら嬉しいです。

 

必要のない所までポイントを出しがち

 

最初の頃は、どこの数字を出せばよいのか分からず、たくさん出していれば迷惑をかけないと思って、10個くらいポイントを出してしまうことがありました。

今となっては、3つあれば十分な場面も多いと分かります。

そして、ポイントはたくさん出せばよいものではなく、どこに出すかが重要だということも、少しずつ分かってきました。

 

いつのタイミングでポイントを出せばよいか分からなくなりがち

 

重機の動きを見ながら、どのタイミングでポイントを出すべきかを見計らっていると、時々「今なのか?まだなのか?」と分からなくなることがあります。

感覚としては、大縄跳びに入るタイミングに少し似ています。

「ここだ!」と思っても一歩遅れたり、逆に早すぎたり。
最初は、そのタイミングを見失いがちです。

 

オペさんの希望するポイントが分からなくなりがち

 

自分では、
「次はこっち、その次はあっち」
と考えながら動いているつもりでも、オペさんから、

 

「そこじゃあ、ねえ」

 

と言われることがあります。

そうなると、また焦って、
「じゃあ、どこ?汗」
となりがちです。

この時に感じるのは、自分の中で先を読んでいるつもりでも、オペさんが本当に必要としているポイントとはズレていることがあるということです。

だからこそ、ただ自分の考えで動くだけではなく、オペさんの動きや視線、作業の流れをもっと見ることが大事だと感じています。

 

間違っていたと気付いた時、どのタイミングで言うかドキドキしがち

 

ポイントを出した後に、
「あれ、もしかして間違っているかも」
と気付くことがあります。

間違っていたと分かった以上、絶対にそのままにはできません。

でも、今言うと作業を止めてしまうかもしれない。
オペさんの動きを止めてしまうかもしれない。

 

「あー、どのタイミングで言おう」

 

そう思って、声をかけるまでにドキドキすることがあります。

ただ、ここで一番大事なのは、やっぱり間違いに気付いた時点できちんと伝えることです。

言うのは勇気がいりますが、仕上がりや安全に関わることだからこそ、迷った時ほど早く確認するように意識しています。

 

 

■ここだけの話、オペさんにお願いしたいこと

 

 

ここまでポイント出しの難しさを書いてきましたが、ここで少しだけ、オペさんにお願いしたいことがあります。
もちろん、現場ではスピードも大事です。
作業を止めないことも大事です。
それは、僕も分かっています。
ただ、僕たち新人には、新人なりの必死さがあります。

 

「早よせい、早よせい」と言わないでほしい

 

分かっているんです。
早くしないといけないことは。
でも、間違えられないからこそ、丁寧に、慎重になります。
図面を確認して、数字を確認して、現場の高さを見て、オペさんに伝える。
その一つひとつを間違えないようにしていると、どうしても少し時間がかかってしまいます。
大きな声では言えませんが、もう少しだけ待ってもらえると嬉しいです。

 

無言のプレッシャーを与えないでほしい

 

何も言わずに待ってくれる時もあります。
ただ、そんな時でも、体から
「早よせい」
のオーラが出ていることがあるんです。
そのプレッシャー、僕はちゃんと気づいています。
だから余計に焦ります。
焦ると、数字が飛びそうになります。
そして、さらに焦ります。

 

なので、できればちょっとだけニコッとしてほしいです。

 

ただ、そんなオペさんとしっかりシンクロできた時は、ちゃんと褒めてくれます。
それが、とても嬉しいんです。
「今の良かったな」
そう言ってもらえた時は、さっきまでのプレッシャーも一気に吹き飛びます。
厳しいけれど、見てくれている。
だから、また頑張ろうと思えます。

 

 

重機に乗るようになって気づいたこと

 

 

入社して1年が経ち、僕も重機に乗らせていただく機会が随分増えました。
昨日も現場で、床掘りをさせてもらっていました。
そこで痛感していることがあります。
それは、

 

「なんでそんなに簡単にやっているの?」
ということです。

 

自分でやってみて、より分かりました。
とても、とても難しいです。

 

なんで重機に乗っている状態で、視界の下にある地面の高さが5mm高いことが分かるんですか?
もう本当に疑問です。

 

今まではポイント出しをする側として、オペさんに数字を伝えていました。
でも、自分が重機に乗るようになって、オペさんがどれだけ多くのことを見ながら作業しているのかを、少しずつ感じるようになりました。

 

重機の動き。
バケットの角度。
地面の高さ。
周りの安全。
次にどこを掘るのか。
どこで止めるのか。

 

今までとは比較にならないほど、いろんな所に気を配ります。
そして、気づけば身体にも力が入っています。
毎日くたくたです。
プライベートは充実させたい僕ですが、重機に乗り始めた今週は、毎日9時には就寝しています。笑
今の目標は、リラックスすることです。
よく先輩に、
「力が入りすぎじゃわ」
と言われます。

 

 

 

自分では分からないのですが、専務はこう教えてくれました。
経験を積んでいけば、ある日突然、身体の力がフッと抜けて、できるようになる。
今はまだ、その感覚は分かりません。
でも、まずはそこを目標に、丁寧に、落ち着いて、経験を積んでいきたいと思います。
そして、重機に乗るようになったからこそ、これからはオペさんが欲しいタイミングで、欲しいポイントを出せるようになりたいです。
ポイントを出す側としても、重機に乗る側としても、少しずつ現場を見る力を磨いていきたいと思います。

 

 

 

上司アドバイス

オペもやるようになって、ポイントを求める側の視点を経験したことで、これからは更にあなたが得意とする“先読み”の精度が上がっていくと思います。
経験を積みながら、図面を見る回数をもっともっと増やしていけば、図面に書いてあることの理解度が更に深まっていきます。
そして、図面への理解が深まれば深まるほど、この仕事は面白さを増していきます。
どんどん夢中になっていきましょう。

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