育成の記録 松添編(8)
『僕が向き合う1ミリの世界』
こんにちは。松添です。
いつも僕の育成ブログを読んでくださり、ありがとうございます。
今回は、「土木現場での数字」について書いてみようと思います。
皆さんの中に、土木の図面を見たことがある方はおられるでしょうか。
私が初めて図面を見たときの感想は、
「まったくわからん……。」
でした。
さらに、その図面に描かれているものを、実際の現場で形にしていくわけですから、疑問は増えるばかりです。
「どうやって……?」
土木現場における数字とは
- ・距離
- ・高さ
- ・深さ
- ・角度
- ・強度
- ・数量
- ・時間
こういったものを指します。
図面には、それらが細かく記されています。
お気づきになられたかもしれませんが、
土木工事は、すべて“数字の根拠”をもとに成り立っています。
土木の現場に、「何となく」は存在しません。
数字と向き合う日々
入社して、もうすぐ1年になります。
現在僕は、図面に記された数字を現場に落とし込み、作業の指針となるよう先輩の職人たちに伝える役割を担っています。
これが本当に大変です。
当たり前ですが、「たぶん」や「おそらく」は通用しません。
求められるのは、正確さです。
しかし、相手は自然です。
その日の天候や環境によって、向き合う土はまったく違います。
雨が降れば水を多く含み、乾燥すれば締まり方も変わる。
“ちょうどいい”という基準はありません。
入社時に専務が言ってくれた
「土木は自然と向き合う仕事」
数字を出す立場になってから、その言葉の重みを、少しずつ実感しています。
間違う事もある
1ミリの誤差が致命的になる仕事です。
それでも、数字出しを間違えることはあります。
職人さんから
「あれ?違わんか?」
と声をかけられることがあります。
職人さんは、僕が出した数字を信じて作業をしてくれます。
でも、長年の経験からくる“違和感”で、誤りに気づくことがあるそうです。
もう一度、数字を出し直してみる。
すると、間違っていた——ということもあります。
数字を出す役割を任せていただいたとき、専務からこう言われました。
「自分が正しいと思ってはダメ。
間違っているかもしれないと、常に疑っていないと気づけない。
間違うことよりも、間違いに気づけないことのほうが問題だ。」
その言葉は、今も頭に残っています。
もちろん、
「数字、間違っていました」と伝えるのは勇気が要ります。
やり直しになれば、手間も時間もかかります。
それでも——
だからこそ、正確な数字を出す努力が必要なんだと感じています。
間違いに慣れてはいけない。
一発で正解を出せるようになることを目指す。
それが、今の僕の課題です。
丁張ってなんのため?
土木工事の現場で、こんな光景を見たことはないでしょうか。

これは「丁張(ちょうはり)」といいます。
これからこの場所に出来上がる構造物を、糸によって立体的に表したものです。
何もない地面に、糸で空間を描く。
図面の中の世界を、3Dで浮かび上がらせているような感覚です。


学校で習った座標、
X(横)・Y(縦)・Z(高さ)。
図面に書かれた数字を現場に落とし込み、
目に見える形にしたものが丁張です。
正確な数字の“結晶”とも言えるかもしれません。
もし現場でこの光景を見かけたら、
少しだけ思い出してください。
この糸は、これからつくるものを空間に描いた線なのだということを。
ありがたいことに、
「仕上がりがきれいですね」と言っていただくことがよくあります。
専務もよく言います。
「美しいと思えるものをつくろう」と。
それは、感覚的な美しさのことではありません。
縦がまっすぐで、
横がまっすぐで、
寸分の狂いもない。
だからこそ、どこから見ても美しい。
数字と向き合い、
自然と向き合い、
そして自分自身とも向き合う。
その積み重ねが、
“きれいな仕上がり”につながっているのだと思います。
今日もまた、縦横まっすぐを意識しながら、1ミリと向き合っています。
お知らせ
2025.12.26 12/27(土)~1/4(日)まで冬期休暇をいただきます。